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2007年07月10日

必要証拠金について


証拠金の概要

先物取引は、対象とする原資産の将来の値段で利益・損失が決まります。

仮に損失だった場合でも、決済は履行されます。その履行の確保の目的で、証券会社に一定の金額を預けなければなりません。それが証拠金です。

概念としては信用取引の保証金に近いものがあります。

証拠金の算出

証拠金は「SPAN®」に基づき計算された基準額をベースに、各証券会社で設定されます。

新規の取引を行わない場合でも基準額が変わればその額が適用されます。

また、相場が予想に反して動き、証拠金を上回る損失が発生する可能性もあります。そのような場合は、損失で不足した額を追加証拠金として差し入れる必要があります。(追加証拠金を「追証(おいしょう)」と言います)

(参考)SPANとは・・・シカゴマーカンタイル取引所(CME)が開発した、リスクベースの証拠金計算システム。計算ソフトをCMEから購入し、投資家自身でも計算することができる。

有価証券による代用が可能

証拠金は有価証券により代用ができます。(ただし現金不足額については現金により差し入れが必要です)

デリバティブ取引とは


デリバティブ取引とは、あらゆる金融取引(株式投資・債権投資・不動産投資・預金・ローンなどの借り入れ)の際に、何らかの外的・内的要因により相場が変動した場合、その際に生じるリスクを軽減する為に開発された商品です。

元の金融商品から派生したもの、という概念があるので、日本語では金融派生商品といいます。

一般的にハイリスクというイメージが強く、取引の際は入念な知識補給が必要だとされています。

歴史上では1637年にオランダで起こったチューリップ・バブルの際の、球根の先物取引が有名です。

現在の主なデリバティブ取引は、先物取引・先渡取引・スワップ取引・オプション取引などです。

債権取引に関しては一般的な認知度は低いですが、金融工学の理論上でデリバティブの性質があるとされています。

日経225mini

日経225miniで始める先物取引

従来の日経225先物への入門編としてお勧めしたいのが「日経225mini」という商品です。

日経225先物取引の10分の1の単位で取引が行えるという手軽さがあり、大阪証券取引所では2006年7月の上場以来、順調に売買高が伸びており、今後さらに認知されていけば個人投資家の間で大きく拡がっていくことが予想されます。

日経225miniの基礎知識

日経平均株価(日経225)を対象にした株価指数先物取引で、現時点で決めた価格で売買することを約束する取引です。

ここまでは先に記載した「日経225先物」と同様なのですが、「日経225mini」には以下のメリットがあります。

(1)少ない資金で運用可能

日経平均株価の100倍の値段での取引です。つまり日経225先物の10分の1の資金での取引が可能となります。

(2)日経225先物との相殺

同じSPANで計算するため、両者の先物取引を行った場合に証拠金を相殺することができます。例えば日経225miniで売りポジションを保有し、日経225先物で買いポジションを保有していた場合、証拠金を相殺することが可能となります。        

日経225と日経225miniの比較


商品

日経225mini

日経225先物

取引単位

100倍

1000倍

呼び値単位

5円(=500円)

10円(=10,000円)

隔月取引

2隔月取引

5隔月取引

取引時間

前場;9時~11時
後場;12時30分~15時10分

制限値幅

日経225先物の同一隔月取引と同じ

現行通り

基準値段

日経225先物の同一隔月取引と同じ

現行通り

清算指数

日経225先物の同一隔月取引と同じ

現行通り

証拠金

SPAMを利用して算出。日経225mini・日経225先物間を100%リスク相殺

建て玉相殺

設けない。ただし、清算指数・証拠金により同等の効果を得ることが可能

(参考:大阪証券取引所)

日経225先物と税金

日経225先物の税金に関しての解説です。
 

課税方法

・他の所得と分離
・商品先物取引による売買損益との通算が可能
・株式などの売買損益とは別に計算 

税率

 20%(内訳:国税15% 地方税5%)

申告について

 確定申告をすることで、損失の繰越制度が適用されます。その年に控除しきれない金額の場合は、翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能です。

従って損失が出ても必ず申告をしておいた方が良いでしょう。